プラスチックフィルムを使った食品包装はバリアー性確保のための密封性と、一方で相反するかのような開け易いという「易開封(いかいふう)性」にも視点が注がれています。食品包装は扱う食品によりそれぞれ最適となる包装形態があり、プリンのようなデザート食品に使われる容器のフタには易開封性を考慮した「イージーピールフィルム」と呼ばれる素材が使われています。名称中のピールは「果物などの皮をむく」という意味で使われていますが、簡単にフタをはがすことができるという意味合いでつけられたようです。このフィルムの要求仕様は食品向けとなることから無味・無臭・無害という最低条件があります。そのうえで、製造面での「カットしやすい」「カット後の寸法精度が安定」とか、易開封性では「剥離強度が低い」「加熱処理にも耐えられる」「経時変化もない」といった多くの条件が課されています。